【L.A.ノワール】プレイ感想

PS4版「L.A.ノワール」をプレイしたので、紹介と感想です。

「L.A.ノワール」はもともと2011年に発売されたオープンワールドのアクションアドベンチャーゲームです。

今回のPS4版では1080pの解像度で、PS4 Proでのプレイ時には4K出力に対応しています。
また、新たな要素として収集物にはレコードと書籍、条件を満たして開放できる新たな衣装が追加されています。

当時配信されていたDLCも全て収録されているので、全ての事件を楽しむことができるようになっていて、発売後にはアップデート配信でフォトモードも追加されています。

ストーリー

舞台は1947年のロサンゼルス。プレイヤーは正義感の強いロサンゼルス市警の刑事コール・フェルプスとなり、事件を解決していきます。ゲームを進めていくといくつかの課を異動することになり、その過程でさまざまな人間ドラマが繰り広げられます。

また、主人公のフェルプスは刑事となる前には海兵隊に所属しており、ストーリーの合間には過去の話が挿入される作りになっています。この過去のエピソードと現在とが徐々に絡み合ってストーリーが展開していきます。

キャラクター

主人公フェルプスは所属する課で相棒となるキャラクターと共に事件を捜査していくことになります。他にも事件の関係者や海兵隊時代の仲間などが登場し、さまざまな人間模様が描かれます。中には実在の人物がモデルになっているキャラクターもいます。

ゲームシステム

事件の捜査には証拠となる手がかりを集めるパートと、事件の関係人物を取り調べるパートがあります。

証拠は現場や関係者の家などを調べて集めていくのですが、意外なものにも隠されていることがあるので全て集める場合は入念にあたりを調べる必要があります。

人物の取調べでは相手の発言に対し、内容や表情から「信用する」、「疑う」、「反証する」を選択することで進めていきます。「反証する」を選択した場合はさらに持っている証拠の中から適切なものを選んで相手に突きつける必要があります。相手が動揺している場合の表情はかなり露骨なのでわかりやすいのですが、「反証する」は事件によっては手に入る証拠の数が多いので、攻略情報なしで自力で全問正解するのは難しいと思います。
うまく情報を聞き出せなかった場合でも、捜査が遠回りになったり評価が下がりますが、クリアはできるようになっています。

証拠を発見。いろいろな物を調べてみましょう。

露骨に目が泳いでいます。「疑う」か「反証する」で新たな発言を引き出しましょう。

捜査を進めると尾行やカーチェイス、格闘や銃撃戦が発生することもあります。
このゲームの体力は一定時間で自動回復するというシステムになっているので、銃撃戦では物陰に隠れながら戦えばアクションやシューティングは苦手だけれどストーリーを楽しみたいという人でもクリアできると思います。
もしクリアできなくても、何回かゲームオーバーになると銃撃戦をスキップする選択肢がでるので安心です(オプションで設定可能)。

個人的には事件によってはカーチェイスが難しいと感じました。
追跡対象はかなり狭い路地を逃げることもあるのですが、こちらが少しのでっぱりに引っかかったり、見た目なんでもなさそうな物に乗り上げている間に犯人に振り切られてやり直しになってしまうということが起こりえるので、苦戦することがあるかもしれません。
また、カーチェイス中に慌てた一般市民は車をよけるように逃げていくのですが、まれに自分からこちらの車に向かってくるような動きを見せることがあります。一般市民にぶつかってしまうと事件クリア時の評価が大きく下がってしまうので、最高評価の星5でのクリアを狙うときにおきるとやり直しが面倒です。
カーチェイスもゲームオーバーを繰り返すとスキップ可能です。

他に少し気になったのは、PS3版からの仕様なのですが、イベントがスキップできないという点です。最高評価狙いでの再プレイ時や、一部のトロフィーを狙う時に条件達成に失敗してやり直すたび同じイベントを見なければいけないので、ここはテンポがあまりよくないと感じました。

ゲームの雰囲気

このゲームはフィルム・ノワールと呼ばれる1940年代前半から1950年代後期にかけてアメリカで製作された退廃的な雰囲気を持つ映画を参考に作られているので、ストーリーでは社会の暗部やドロドロした人間関係などが描かれています。洋画好き、フィルムノワールと呼ばれる映画が好きな人なら特にストーリーにのめり込めると思います。

また、このゲームは1947年のロサンゼルスが忠実に再現されていて、実在するランドマークやブランド品、車両が登場します。運転中はカーラジオから当時の曲が流れたりもするので、これらの要素が没入間をより高めてくれます。
PS4版のアップデートで追加されたフォトモードはこのような世界観が好きなプレイヤーにはうれしい追加だと思います。

カーラジオを聞きながらドライブするだけでも雰囲気に浸れます。

他にもこのゲームの特徴として、キャラクターを演じる俳優の表情を多くのカメラで読み取ってゲームに反映させる「MotionScan」という技術が採用されています。これにより、キャラクターの表情がものすごくリアルになっています。
イベントシーンや取調べパートでは表情に注目するとよりゲームが楽しめると思います。

まとめ

ゲームとしてはイベントをスキップできないなど、特にやり込み派のプレイヤーにとってはテンポが悪いと感じてしまう部分があると思います。

しかし、ゲーム全体に流れる雰囲気や濃い人間ドラマ、キャラクターのリアルな表情などは他のゲームではなかなか味わうことができないと思いますので、独特のストーリーや雰囲気をじっくり楽しみたいという人にはおすすめです。